社長日誌

DIARY

蒼穹の昴

 「鉄道員(ぽっぽや)」「憑神」等の著作で有名な浅田次郎氏の作品です。
 ハードカバーで上下2巻、文庫本では4巻に分かれており、私はハードカバーで読んだのですが、かなりの時間を要したために腕が痛くなり、肩がこってしまいました。
 内容は清朝末期(1800年代後半)、戊戌の政変(百日維新)と呼ばれる歴史的な事件に纏わる作品です。
 この作品では、二人の主人公がそれぞれ進士と宦官ですので、当時の官僚登用試験である「科挙制度」や後宮の実態が判りやすく描かれております。
 また、私にはその善し悪しは分かりませんが、西太后を一般的な悪女・鬼女のイメージとは全く逆の見方で書いているのは新鮮に感じます。
 兎にも角にも、作者本人がこの本を書くために作家になったと述べているほど思い入れの強い作品ですので、浅田次郎氏のファンを自認する方は是非、一読すべき作品です。