池波正太郎氏初期の作品。 昭和37年頃(30歳代後半)に池波氏が書いた短中編の中から表題の剣法一羽流(けんぽういつぱりゅう)を初めとする7編が収録されています。 7編中、4編が時代物、3編が現代物とまとまりがなく文庫全体としてのテーマ性はありません。 しかし、時代物の4編にはこの後の4大シリーズを初めとする中期以降の代表作の種がかいま見られるという点が楽しめます。 池波氏の初期から中期を繋ぐ過程を知るという意味では興味深い作品です。