社長日誌

DIARY

メーカーが直売すれば安く売れるのか?

 本日、取引先のインターネット通販サイトを見ていると「メーカーだからできる価格」とか「メーカーだから安い」といった表現が使われておりました。
 これらの言葉は、よく考えてみると小売業自体の存在を否定する言葉ともとれる非常に失礼な言葉です。
 私もこの「メーカーが直売すれば安く売れるのか?」ということについて、あまり真剣に考えたことはありませんでしたので色々考察しましたが、どう考えてみても安く売れるとは考えられません。
 例えば、自社のやっている工場に、たまたま友人が買いに来て、持って帰るから1つ売ってくれないかといった場合なら安く売れると思います。
 しかし、リアルにしろバーチャルにしろ店を構えて恒常的な販売する場合、販売経費が間違いなくかかります。
 よってメーカーが直売しても、小売りの粗利分が安くなるというのはありえないことで、せいぜい営業利益分ですから、安くなっても一般的には数%以下だと思います。
 他に考えられるとしても物流センターへ納品する運賃分くらいの差でしょうから、利益と合わせても小売業が長年培ってきた販売や販売業における効率化のノウハウ、販売業における過去からの投資等を考えると差は出にくいと思います。
 また、SPAがもてはやされてはいるものの、人材力があるSPAが成功しているのは間違いがないことで、事実としてほぼ全てが中小企業である寝具メーカーでSPAを成功させることができる企業は果たしてあるのだろうかと思います。
 実際に製造小売りと名乗っている企業を見ても、優秀な人材を中核事業に投入しなければ生き残れるはずもありませんので、結局は製造直売とはいっても名前だけで実質は小売業になってしまったという企業も少なくありません。
 以上がこのテーマに関する私の考察ですが、間違っている点、抜けている点等あれば、お会いしたときに議論したいものです。
 今回はこのように考察が深まったということを考えれば、きっかけとなった失礼な表現の取引先にも感謝しなければいけないのかもしれませんね。(^^)