■赤ちゃんのうつぶせ寝
メリットは、以下のようになっています。
・ゲップがしやすい
・お乳を吐いても気管に詰まりにくい
・消化によい
・熟睡できる
しかし、うつぶせ寝には危険もともないます。
乳児突然死症候群、SIDSという、元気だった赤ちゃんが眠っている間に突然死亡してしまう病気があります。
SIDSの原因はまだはっきりと分かっていないようですが、厚生労働省の母子健康課がホームページでは、SIDSの発生率を高める3つの因子のうちの1つが『うつぶせ寝』だと発表されています。
厚生労働省の発表によると、うつぶせ寝は仰向け寝の場合に比べるとSIDSの発症率が高いので、医学上の理由でうつぶせ寝をすすめられている場合を除いては、仰向け寝で寝かせるようにすすめています。
うつぶせ寝がなぜSIDSの発生率を高めるのかははっきりしていませんが、うつぶせ寝の場合、眠りが深くなりすぎて、神経系統が未熟な赤ちゃんは自発呼吸が止まってしまうのではないかというのが有力な考えです。
■大人のうつぶせ寝
大人の場合、赤ちゃんとは全く違います。
95歳になる東京の有名な医師が『うつぶせ寝健康法』を実践しており、うつぶせ寝を推奨しているのです。
この先生は、うつぶせ寝を『脊椎動物にとって一番自然な姿勢』としています。
仰向け寝は、背骨近くの太い血管を内臓が圧迫して、血流が悪くなるので、酸素も栄養も不足しがちになり、老廃物が処理されにくくなると言うのです。
うつぶせ寝のメリット
そして、うつぶせ寝の一番のメリットはイビキや睡眠時無呼吸症候群の予防です。
イビキの原因は、仰向けで眠っている時に舌が重力でノドにずり落ち、気道を塞いでしまうことです。気道が狭くなると、呼吸が難しくなり、息が無理矢理通過するときに大きなイビキが出ます。
これがさらに酷くなって舌で気道が完全に塞がれると呼吸が出来なくなり、睡眠時無呼吸症候群になってしまうのです。
身体をうつぶせにして眠ると、舌は歯の方にずり落ちてくるので、気道は確保されて、息が楽にできるのです。
しかし、ただうつぶせになって寝るだけでは、腰に負担がかかりやすくなります。またお腹や足などとふとんの間に隙間ができるので、この部分にも負担がかかります。ですので、うつぶせ寝専用の枕を使う必要があります。
その他にも、うつぶせ寝のメリットはあります。
『タンがたまりやすい』人は、痰が重力によって自然に流れるので、たまりにくくなります。
また、背中が丸い人は、ストレッチをしたように背中が伸びるようになります。
「うつぶせ寝」は1980年代の終わりに介護の現場などで広まっていったそうです。
理由は、寝たきりの高齢者を仰向けにしておくと、間接が曲がったり便秘になったりしたのですが、うつぶせに変えると体の重みで自然に関節が伸び、たまっていた便や尿も出やすくなったからということです。
うつぶせ寝のデメリット
ここまで、うつぶせ寝のメリットについて述べてきましたが、デメリットもあります。
例えば寝たきりで骨が弱くなっている人は、無理にうつぶせにすると骨折を起こす危険性があります。
また、うつぶせ寝の場合は、顔を横に向けていないと呼吸ができません。ですので、顔を横に向けて眠ることになるのですが、これが、慣れないとなかなか難しく、最初は眠れないかもしれません。
ワンポイント
うつぶせ寝と仰向け寝、どちらか一方の姿勢が悪いというわけではありませんから、うつぶせ寝が気になる方は試してみて、自分に合うようなら続けてみるのはいかがでしょうか。