揺れと眠気
スイスの神経科学者が発表した研究があります。
端から端まで揺れるのに4秒かかる特製ベッドで、成人12人に45分間の昼寝を2回してもらいました。
1回目は優しく揺れるようにして、もう1回は揺れを止めて行い比較しました。
きちんと眠っているかどうかは、脳波を見て調べ、脳の活動状況を分析するために睡眠ポリグラフなども使用しました。
その結果、優しく揺れるようにしたベッドで昼寝をするほうが早く眠れることが分かったのです。
赤ちゃんを寝かしつけるときに、お母さんが抱っこして少し揺らしていることがありますが、そうすれば赤ちゃんが早く眠ると、お母さんは人間の本能で察知しているのかもしれません。
研究者も「この研究は、揺れが眠りを誘うという従来の信仰に科学的支持を与えるものだ」と結論づけています。
揺れで変わる睡眠の質
また、この他にも、揺れにより睡眠の質が変わることもわかりました。揺れるベッドで眠った方が、深い眠りにつくことができたのです。
もちろん被験者の12人は、前日まで健全な睡眠をとり、普段は昼寝をしない人たちばかりでした。
そして、脳波にも変化がありました。
揺れるベッドでは、騒がしい状況のときに落ち着いて眠れるようにするために出される脳波が長く出ていたのです。
脳が揺れを騒がしいと判断したかどうかまでは、はっきりしていませんが、脳が眠っている人を落ち着かせようとしているサインではないかと考えられています。
また、この脳波は新しい情報や記憶を思い出す能力にも関係しているので、研究者らは、揺れるベッドが不眠症の方以外に、病気で脳に損傷のある人の治療に役立つのではないかと考え、さらに研究を続けています。
ワンポイント
興味のある方は揺れるハンモックなどを使って眠ってみるのはいかがでしょうか? 昼寝が快眠になりますよ。