快眠のすすめ

KAIMIN COLUMN

冬の寝室環境を見直して快眠を手に入れる

■理想的な寝室の環境は?

冬時期に、人が気持ちよく眠れる環境は、室温が16℃~19℃、布団の中の温度は32℃くらい、そして湿度は50%~60%です。

室温が16℃よりも低くなると、眠っていても途中で目覚めることが多くなったり、レム睡眠の時間が短くなったりして熟睡ができなくなります。

また、人の体温は36℃くらいですが、これは身体の中の温度で、身体の表面温度は、36℃より低くなります。

私たちが布団の中に入ると、身体の表面温度で寝床の温度は急上昇して、その後安定します。気持ちよく眠れている時は、ほぼ32℃~34℃に保たれているのです。

ちなみに夏の場合は、室温は約26℃、布団の中の温度は約32℃、そして湿度は、冬と同様に50%~60%が望ましい環境です。

■年齢によって寝室の温度が違う?

冬になると、若い人ほど室温を高めにすることが多く、年齢が上がるにしたがって、低めにすることが多いということがわかっています。

理由はおそらく、高断熱の住宅で育ってきた若者は寝室も温かくしておくものと考えており、高齢者は、眠っている間に部屋を暖めておくのはもったいないと考えているからでしょう。エアコン世代とそうでない世代とも言えるかもしれません。

高齢の方の中には、下着や寝巻きをたくさん着けて、布団もたくさんかけて眠る人も多いのではないかと思います。

■布団をたくさんかけるのはよくないこと?

寝床の環境という点では、部屋を暖めても布団をたくさんかけても効果は同じです。

ただ、布団をたくさんかけた場合、重くなりすぎて寝返りが妨げられる場合があります。これは体にとってあまりよいとは言えません。

寝返りは、寝床の中の温度や湿度を調整する役割を果たしています。その他にも、睡眠の段階(深い・浅い)を切り替えるきっかけにもなります。寝返りをすることはとても大切ですので、布団を重ねる場合は寝返りがうてる程度の重さにしておく必要があるでしょう。

■乾燥から体を守る

冬は、湿度が20%前後になり、室内も乾燥しています。乾燥した部屋で眠ると、鼻やノドの粘膜が傷つき、風邪の原因になることもあります。また、静電気が起こりやすく、良い眠りの妨げになることもあります。

さらに、肌が乾燥して『かゆみ』が起きることもあります。特に頭皮の乾燥が進むと、眠っている間に無意識に頭を掻いて、頭皮を傷つけてしまうこともあります。朝起きて抜け毛の多さにビックリするなんていう事もあるかもしれません。

湿度は50%~60%が、寝室の環境として最適です。加湿器を使ったり、濡れタオルを部屋にかけたりして湿度を調整することをおすすめします。

国立感染症研究所によると、インフルエンザウイルスの繁殖を抑える適切な湿度も「50%から60%程度」ですので、寝室を快適な湿度にするだけで、インフルエンザの予防にもつながります。

ワンポイント

冬は特に湿度に気をつけて、快眠を心がけてくださいね!

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