人はなぜ夢を見るのか?
科学的に明確な理由は分かっていませんが、夢の存在意義を定めようとする説の中で、有力なものが2つあります。
・記憶の中にある無意味な情報を捨て去る際に知覚される現象
・必要な情報を忘れないようにする活動の際に知覚される現象
どちらも記憶の整理中に脳が刺激されることによって夢を見るのではないかという説です。
また、研究が進み分かってきたことで、これまで夢は、眠りの浅いレム睡眠時にだけ見ると思われていたのですが、眠りの深いノンレム睡眠時にも見ることが確認されています。
夢はコントロールできる?
「見たい夢を見ることができる」という人がまれにいます。詳細なストーリーを見ることは難しいようですが「何かを食べる夢を見たい」「旅行の夢をみたい」など、大筋の夢なら見られるそうです。
嘘のような話だと思う人もいるかもしれませんが、こういった夢は『自覚夢(じかくむ)』や『明晰夢(めいせきむ)』と呼ばれ、実際に起きることなのです。『自覚夢』や『明晰夢』は、自分で「これは夢だ」と自覚しながら見ている夢なので、夢の中で状況を変化させられるそうです。
「見たい夢が見られたらいいなぁ」と、誰しも一度は考えたことがあると思いますが、意識して『明晰夢』を見ることは可能だという研究者もいます。夢研究をしているアメリカのスタンフォード大学のステファン・ラバージ教授は、誰でも訓練次第で『明晰夢』をみられるようになると話しています。
訓練法は、以下の通りです。
1、夢から自然に覚める
2、夢を記憶し、10分~15分間別の事を行い、ハッキリと目を覚ます。
3、ベッドに入って「次に夢を見る時は夢を見ている事を覚えておく」と口に出して言い、再度眠りにつく。
4、自分がベッドで眠っている様子を思い浮かべる。それと同時にさっき見た夢の中の自分を見て、自分は夢を見ていると認識する。
5、これらがちゃんと出来るようになるまで3と4を繰り返す。
少し難しいかもしれませんが、ポイントは「次に夢を見るときは『夢を見ていることを覚えておく』と口に出して眠る」ことで、自分が夢をみているという認識をはっきりさせることが大事だそうです。
そしてもうひとつ大事なことは、明晰夢を見ているときに「ああ、夢なんだ」と思って起きてしまわないことです。
ワンポイント
思い通りの夢を見たいという人は是非トライしてみてください。