抱き枕の睡眠効果
抱き枕を使ったことはありますか?
■抱き枕の歴史
抱き枕の一種と考えられている枕が最初に使われたのは、中国と言われています。
時期については紀元前という説や、唐の時代という説もありますが、少なくとも、今から1100年以上前から使われていたのは間違いないようです。
この頃の抱き枕は、素材も形も、今のものとは違っていました。抱き枕の始まりとして考えられているのは「竹婦人(ちくふじん)」や「抱き籠(だきかご)」「添寝籠(そいねかご)」と呼ばれる竹や籐で編んだ少し大きめの筒型をした細長いかごでした。
「竹婦人」を使うと、眠っている時に竹や籐の隙間を風が通ります。暑い季節に布団が必要以上に密着して暑くならないよう、「竹婦人」などを抱いて眠ることで清涼感を出していたようです。昔の人が、涼しく眠るために考えついたものだったのでしょう。
最初の抱き枕は、清涼感を得るという目的で使われていましたが、抱き枕には快眠に役立つ効果が他にもいろいろあることが分かっています。
抱き枕の快眠効果
①安心感が得られる
私たちは、生まれる前にお母さんのお腹の中で過ごしますが、その時の姿勢を胎児姿勢と言います。何かを抱きかかえているかのように丸くなった姿勢です。
抱き枕を使うと、この胎児姿勢を自然に保つことができるので、無意識のうちに母親のお腹の中にいた時のような「守られている安心感」を感じてぐっすり眠れるようになるのです。
②寝返りをサポートしてくれる
人は1日のうちに20回から30回の寝返りをします。これは、同じ姿勢で寝続けると、体圧が一部に集中し血行の妨げになるので、無意識のうちに身体を動かしているのです。
抱き枕を使用すると、無意識のうちに腕をかけ替えたり、足を乗せたり、はさんだりして、寝返りにもさまざまなバリエーションが増えるので、より快適な姿勢を見つけられるようになります。
この抱き枕ですが、横向きになって眠る人に支持されることが多いようです。なぜかというと、横向きで眠る人は肩や腰の部分に体重が集中するので、この部分の負担が大きくなります。こういう時に抱き枕を使うと、体圧を抱き枕に分散させることができるので、横向き寝が楽になるのです。
ワンポイント
寝苦しい時は抱き枕を使って、快眠に役立ててはいかがでしょうか。