快眠のすすめ

KAIMIN COLUMN

睡眠不足と糖尿病

睡眠不足と糖尿病

糖尿病は、徳島県民の病気といっても過言ではないくらい、全国に比べて高い死亡率を記録しています。

2008年にアメリカの大学の研究グループが、睡眠不足は体内のグルコースの処理能力を大幅に低下させるため、糖尿病を発症する可能性が高くなると発表しました。

睡眠不足による悪影響

研究に参加したのは、20歳から31歳までの肥満ではない健康な成人9人でした。研究では、この9人が熟睡できないようにして、いろいろな検査をしました。

就寝時間は午後11時、起床時間は午前7時30分で、睡眠時間は8時間以上とたっぷり確保されていました。
眠りについてからしばらくして、起きてしまわない程度の低い音をベッドのそばに設置したスピーカーから流しました。

ちょうど脳が深い眠りに入ろうとしたときにあわせて音を流すことで、深い眠りから浅い眠りに引き戻すようにしたのです。すると、いつもの睡眠に比べて、深い睡眠の時間がおよそ90%も減りました。

そしてこの後に被験者を検査したところ、グルコールという糖を処理する能力が25%も減少していることがわかったのです。
さらに、血糖値が23%上昇し、立派な糖尿病予備軍レベルの数値を記録しました。

この研究の結果、若くて健康的な成人は連続3日深い眠りを妨げられると糖を処理する能力が低下して体重が増えることが判明しました。
高齢者や肥満者であれば、睡眠不足によって糖尿病を発症してしまう可能性もあると研究グループは結論付けています。

また、よく似た研究がヨーロッパでも行われ、オランダの大学が発表した研究でも同様の結果が出ています。こちらの研究では、さらに肝臓での糖の生産や血液中の糖が筋肉などに取り込まれるのに悪影響を及ぼすと結論付けています。

ワンポイント

糖尿病は生活習慣病ですので、睡眠不足だけでなく、日頃の生活全般が原因といえます。
睡眠だけでもきちんととって、予防につなげたいですね。

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