タバコと睡眠
タバコを吸うと「頭がスッキリする」「気分が落ち着く」と言うのを聞いたことがありませんか?
この働きは、タバコに含まれるニコチンに覚醒作用と鎮静作用があるためです。
寝る前のタバコは逆効果?
鎮静作用があるので睡眠に役立つと思っている人もいるかもしれませんが、実は覚醒作用と鎮静作用とでは、より強く現れるのは覚醒作用の方なのです。
ですので、眠る前にタバコを吸う、いわゆる寝タバコをすると逆に目が冴えてきてしまいます。
ニコチンの体内での半減期がおよそ2時間なので、それまでに吸うのならば、何となく気持ちが落ち着いてきて眠りやすいような気分になりますが、寝る直前は逆効果になってしまいます。
その為、喫煙者の方は寝る前の2時間はタバコを吸わないほうが実際は良く眠れます。
また、タバコを吸う人は吸わない人に比べて睡眠時間が短くなり、睡眠の質も悪化するという研究結果も出ています。
睡眠の質
「タバコを吸う人」と「タバコを止めた人」、それと「タバコを全く吸わない人」を調べた研究では、非喫煙者に比べて喫煙者は床に就いてから寝付くまでの時間が平均で5分長く、総睡眠時間も14分短いことがわかっています。
タバコを止めた人と非喫煙者では睡眠の量も質も明らかな違いはありませんでした。
アメリカの大学の研究では、喫煙者の方が非喫煙者に比べて目覚めたときに疲労を感じる傾向が4倍高く、また深い睡眠が14%少ないということがわかっています。
理由としては、寝ている間にニコチンの禁断症状が出てしまい、それが原因になって、睡眠が妨げられているとしています。
この話を読んで、禁煙をこころざそうと思われる方もいるかと思いますが、実は禁煙すると数日間は禁断症状などで夜中に目が覚めたり、日中の眠気が強くなることもあります。
ワンポイント
禁煙をはじめるときは、お医者さんと相談しながら取り組むことをおすすめします。