社長日誌

DIARY

カシミヤ

 カシミヤの混率偽装が話題になっているが、これは以前から言われていた話です。
 カシミヤの低級品とウールの高級品はプロでも見ただけでは区別がつきにくいし、色の黒いカシミヤ製品にはヤク(チベット等で飼われている毛長牛)の毛が多く混ぜられているものがあるということは業界の常識でした。
 ですから熟練した良心的なバイヤーはカシミヤに関しては信頼できる取引先からしか購入しませんし、理由なく一定以上安価な商品には手を出しません。
 私も長年バイヤーをやっておりますのでこんな事は判っていてこれまでカシミヤ100%の表示の商品は信頼できる取引業者だけから仕入れております。
 今回は量販店との取引が深い大手の小杉産業(ロマンス小杉とは別の会社)と丹羽幸が公正取引委員会から名前を公表されていますが、これらの企業も元々いい加減な商品を扱う業者ではありませんので、量販店側からの値下げ圧力の結果、信頼性の低い中国業者との取引をせざるをえなかったのではないかと私は考えております。
 川下に価格決定権が移ることは良いことかもしれませんが、今後も気をつけなければ同様のことが繰り返されるおそれがないとはいえませんね。