社長日誌

DIARY

敗れざる者たち

 先日の出張で沢木耕太郎氏の敗れざる者たちを読みました。
 私にとって沢木氏といえば「深夜特急」という作品で、この貧乏旅行が好きな人のバイブル的小説をその昔ドキドキしながら読んだのを思い出します。
 この「敗れざる者たち」は沢木氏のごく初期のノンフィクションで、6人(?)のスポーツ選手が主人公です。

 プロボクサー カシアス内藤
 プロ野球選手 難波昭二郎
 マラソン選手  円谷幸吉
 ダービー出走馬 イシノヒカルとそれを取り巻く人々
 プロ野球選手 榎本喜八
 プロボクサー 輪島巧一
 この名前を見てピンと来る人もいるでしょうが、この本は沢木氏をして「敗者をして真に敗れせしむるために」書かれた作品です。
 主人公となった彼等が自分のおかれた環境にもがき、苦しみ、はいずり回った末に敗れ去っていった様を丁寧に描いている内容は、単なる判官贔屓や敗者礼賛といったものを超えた感動を与えてくれます。
 この作品は敗者たちへのレクイエムなのでしょう。