■手間ひまかけて作る真綿ふとん
真綿はその製造工程の違いによって大きく、「袋真綿」と「角真綿」に分かれます。
角真綿は生産性が高く一般的な製法で主産地は滋賀県の松原市というとこになります。
一方、袋真綿は福島県伊達市でつくられ、それを手挽きした「入り金真綿」は福島県伊達市の保原町とういうところのみで生産されている貴重な真綿になります。
そんな入り金真綿が出来るまでには熟練の職人の手により大変な手間ひまを掛けています。
まずは最初に蚕からとれた繭を沸かしたお湯の入った鍋に重曹とともに入れ、ぬるま湯で一時間以上ふっくらと煮上げます。
続いて、煮あがった繭を鍋から引き揚げ、よく洗い流し、水気を切り、繭同士がもつれないようにひと粒ずつ分けておきます。
その後、繭を5cmほどに伸ばし、さらに三角形にして裏返し、蛹を取り除いたものを、4~5個重ね、袋状の繭に両手を入れて引き延ばします。さらに、袋に息を吹き込み。形を整え、圧力をかけて水切りします。
あとはしっかり水気をきった真綿を規則的に竿にかけ、室内で陰干しします。そのまま、1~2日間乾燥させ、さらに元のように丁寧に広げます。
最後に職人二人で袋真綿の四隅を掴み、息を合わせて伸ばし、その都度重ね合わせていきます。私自身も手挽きの体験をしましたが、均等に息を合わせて伸ばすのは大変難しかったです。
その手挽きし終わった真綿をきれいに整えて、入り金真綿の出来上がりです。
この手挽き工程は、真綿の製造産地によって異なります。
西川が取り扱っている真綿にも様々なものがあります。
中国の義馬真綿は繭約25個分の帽子真綿と呼ばれるものを職人3~4人で一気に120回~300回挽きます。
一方、滋賀県の近江真綿は繭約10個で300回、よりこだわった特選近江真綿で繭約7個で450回挽きます。
さらに、福島県伊達市保原町の入り金真綿は繭約5個で650回挽きます。
1日、儀馬真綿で8枚~10枚製造できるのに対し、入り金まわたはたった2枚しか製造できません。
手挽き回数が多いほど間の空気層がより細かくできて、保温性に加え風合いもよりふんわりし、心地よい体感を頂けます。
真綿の原料である繭をつくる蚕はいわゆる養蚕農家の方々が育てています。ところが現在では高齢化と後継者不足から養蚕農家は激減しており、深刻な問題となっています。
また、養蚕農家から出荷された繭を真綿にする職人も同様に激減しており、真綿ふとんは現在非常に貴重な商品をなっております。
そんな貴重な真綿ふとんを当店ではお気軽にご体験いただけます。
是非一度、限られた職人の手によってつくられた貴重な真綿ふとんの心地よさの感動を味わってみてください。