歯ぎしり
子供の歯ぎしりは、ごく当たり前の自然現象なので、珍しくありません。
子供の場合、あとから生える歯のスペースを確保するためにアゴが日々成長をしています。乳歯が抜けたあとは歯が入れ替えで生えるので、歯がゆい感じがして、ギリギリと歯を食いしばって不快感を紛らわしていると考えられているのです。
しかし、歯が生え揃っている大人の場合、歯ぎしりは自然現象ではありません。そしてその原因は、実はまだはっきりしていないのです。
ただ、原因として考えられているものはいくつかあります。
歯ぎしりの原因
- ストレス・不安・緊張
- 歯のかみ合わせの問題
- 習慣や癖
その他にも『無意識の中に押さえ込まれている怒り』、『競争心が強いという性格』というものもあります。
いろいろあるのは、それだけはっきりとした原因がつかめていないからです。
また、最近では逆流性食道炎との関係も注目されるようになってきています。
逆流性食道炎というのは、横になったときに胃液が食道に逆流して胸やけやムカツキなどを起こす病気です。
逆流性食道炎の患者さんは、睡眠時ブラキシズムを発症することが多くなるそうです。
ですが治療薬を飲むと、歯軋りなどが減少することが分かってきたことから、歯軋りは逆流してきた胃酸を胃に戻すために行っている可能性があるようです。
歯ぎしりの影響
さて、この歯ぎしりですが、あまりに激しいとアゴや歯への負担が大きくなります。
強くこすられるために、歯の表面などに凹凸(おうとつ)がなくなってしまったり、歯が折れてしまうこともあります。
さらに、目覚めたときにアゴから頭に掛けて不快感や疲労感、痛みなどが出る事もあります。
どれくらいの人が歯ぎしりをするのか、アメリカの大学が調査をしています。
イギリス、ドイツ、イタリアで男女13057人に電話を使って聞き取り調査をしたところ、8.2%の人が、週に1回以上歯ぎしりをするという結果が出ました。
その内のおよそ半数が、歯が磨り減ったり、起きたときアゴの筋肉痛を感じると回答しています。
また、歯ぎしりをする人のうち23.3%が同室者から音を指摘されたことがあると答えています。
ストレスと歯ぎしり
原因については先ほども少し紹介しましたが、
歯ぎしりをする人の内、69%の人が何らかの悩みや心配事など精神的ストレスを抱えていることを認めました。
また、詳しいメカニズムは分かっていませんが、お酒を飲む人や、1日6杯以上のコーヒーなどのカフェイン飲料を飲む人、タバコを吸うと答えた人に歯ぎしりが多くなる傾向がありました。
ワンポイント
歯ぎしりを完全になくす治療法はいまのところありません。
しかし、不安やストレスが原因の一つというのことは分かっていますので、眠る前に楽しい事を思い浮かべるなど、リラックスを心がけるだけでも歯軋りの予防になります。
布団に入ったら『明日はきっといい日に違いない』と3回自分に言って、
歯軋り予防をして快眠を手に入れましょう。