睡眠不足の運転は、飲酒運転に匹敵する!?
警察庁交通局の調べによると、交通事故で亡くなった人は、昭和45年がピークで16755人いました。しかし去年は3215人と少なくなっています。
しかしこれは、エアバックの装備やヘルメット・シートベルトの装着、それに加えて医療技術の発達などの影響で少なくなったとも考えられます。
現在でも、年間でおよそ38万件の交通事故が起こり、46万人以上の人が怪我をしているそうです。これらの事故のうち、居眠り運転が原因と特定された事故は全体の数%ほどしかありません。
居眠り運転による被害
しかし、居眠り運転の怖さは『被害の重大さ』です。
科学警察研究所の研究資料によると、1997年の関東地区での全交通事故における死亡率が1.2%なのに比べて、居眠り事故での死亡事故は5.9%と、およそ5倍の数値になっています。
居眠り運転の場合、ブレーキを踏まずに衝突するので、どうしても重大事故につながりかねないのです。
ちょっとした眠気による運転操作ミスや判断ミスなどを含めると、事故の数はもっと増えると考えられています。
アメリカの研究によると、1年間に起きた5000件以上の交通事故を分析したところ、不眠症を訴えている人は健康な人に比べて交通事故を起こす確率が3.5倍から4.5倍も高くなることが分かっています。
居眠り運転と飲酒運転
ここで質問です。みなさんは、お酒を飲んで車を運転しますか?当然ながら、飲酒運転になりますので、しないと答えるはずです。それでは、前日の睡眠時間が普段よりも2時間少ない時、車を運転しますか?
それくらいだったらする、と答える方が多いのではないでしょうか?
そういう方は、要注意です!こういう実験結果があります。睡眠を制限したグループとアルコールを飲んだグループで、居眠り運転の危険性を比べました。
その実験によると、普段8時間眠っている人が睡眠を2時間削って車を運転したところ、体重1kgあたり0.54グラムのアルコールを飲んだのと同じ眠気が起きることが分かったのです。『体重1kgあたり0.54グラムのアルコール』というのは「ほろ酔い状態」にあたります。
日本の道路交通法では『酒気帯び運転』で25点の違反点数。
もし『酒酔い運転』と認められれば35点の違反点数を科せられる数値です。睡眠不足での運転というのは、お酒を飲んで運転するのと同じくらい運転能力が落ちる、危ない行為だったのです。
ワンポイント
みなさんも、十分な睡眠をとって、車を運転してくださいね!