さて、今回は・・・、
「睡眠不足の影響で起きる被害」について解説いたします。
人生100年時代と言われる現代において、健康であるだけではなく、生きがいや楽しみがあってこその人生だと感じる人も多いのではないでしょうか?
睡眠は、「意欲」や「楽しいと感じる」ことに大きく関わっています。
■日常生活のなかにヒントを見つける
しかしながら、いざ、よい睡眠のために生活改善を!となると億劫になってしまうこともありますよね。
実は、何気ない日常のなかに、意識していないところで睡眠と思いがけない繋がりがみられることがあるのです。
例えば、以下のようなことがあります。
■ 光の取り入れ方
朝はカーテンをあけて太陽の光を15~20分浴び、夜は出来るだけ明るい光を浴びるのは控えましょう。
■歩行・咀嚼
リズム運動は、脳から分泌される睡眠ホルモンであるメラトニンの原料(セロトニン)を活性化します。
■ 歩行・咀嚼
リズム運動は、脳から分泌される睡眠ホルモンであるメラトニンの原料(セロトニン)を活性化します。
■ デジタル機器の利用
高頻度の使用は、睡眠障害につながる可能性があります。
就寝前に明るい液晶画面を長時間見たり、ゲームや動画でワクワクしたりすることは脳が覚醒される刺激になるので控えましょう。
■ 歯磨き
就寝直前の歯磨きはNG。
さっぱりする歯茎への刺激には、覚醒作用があります。
■ 食事
朝食は、たんぱく質の多く含まれるものをとるのがおすすめ。
晩ご飯を食べてから寝るまでの間隔が短かったり、脂肪や糖分の多い食事は睡眠の質が悪化しやすいと言われています。
さらに、睡眠不足になると脂っこいものや甘いものを好む傾向があるそうです。
このように、日常生活のなかで、睡眠と思いがけない繋がりがみられることがあるのです。
では、睡眠不足になると、私たちの体や生活にどのような影響があるのでしょうか?
■睡眠不足と糖尿病
糖尿病は、徳島県民の病気といっても過言ではないくらい、全国に比べて高い死亡率を記録しています。
2008年にアメリカの大学の研究グループが、睡眠不足は体内のグルコースの処理能力を大幅に低下させるため、糖尿病を発症する可能性が高くなると発表しました。
研究に参加したのは、20歳から31歳までの肥満ではない健康な成人9人でした。研究では、この9人が「熟睡できない」ようにして、いろいろな検査をしました。
就寝時間は午後11時、起床時間は午前7時30分で、睡眠時間は8時間以上とたっぷり確保されていました。
眠りについてからしばらくして、起きてしまわない程度の低い音をベッドのそばに設置したスピーカーから流しました。
ちょうど脳が深い眠りに入ろうとしたときにあわせて音を流すことで、深い眠りから浅い眠りに引き戻すようにしたのです。
すると、いつもの睡眠に比べて、深い睡眠の時間がおよそ90%も減りました。
そしてこの後に被験者を検査したところ、グルコールという糖を処理する能力が25%も減少していることがわかったのです。
さらに、血糖値が23%上昇し、立派な糖尿病予備軍レベルの数値を記録しました。
この研究の結果、若くて健康的な成人は連続3日深い眠りを妨げられると糖を処理する能力が低下して体重が増えることが判明しました。
高齢者や肥満者であれば、睡眠不足によって糖尿病を発症してしまう可能性もあると研究グループは結論付けています。
また、よく似た研究がヨーロッパでも行われ、オランダの大学が発表した研究でも同様の結果が出ています。
こちらの研究では、さらに肝臓での糖の生産や血液中の糖が筋肉などに取り込まれるのに悪影響を及ぼすと結論付けています。
■睡眠不足の運転は、飲酒運転に匹敵する
みなさんは、お酒を飲んで車を運転しますか?
当然ながら、飲酒運転になりますので、誰もが「しない」と答えるはずです。
それでは、前日の睡眠時間が普段よりも2時間少ない時、車を運転しますか?
それくらいだったら「する」、と答える方が多いのではないでしょうか?
そう思われた方は、要注意です!
こういう実験結果があります。
〇居眠り運転の危険性
睡眠を制限したグループとアルコールを飲んだグループで、居眠り運転の危険性を比べました。
その実験によると、普段8時間眠っている人が睡眠を2時間削って車を運転したところ、体重1kgあたり0.54グラムのアルコールを飲んだのと同じ眠気が起きることが分かったのです。
『体重1kgあたり0.54グラムのアルコール』というのは「ほろ酔い状態」にあたります。
日本の道路交通法では『酒気帯び運転』で25点の違反点数。
もし『酒酔い運転』と認められれば35点の違反点数を科せられ一発免許取り消し。
睡眠不足での運転というのは、お酒を飲んで運転するのと同じくらい運転能力が落ちる、危ない行為だったのです。
〇被害の重大さ
警察庁交通局の調べによると、交通事故で亡くなった人は、昭和45年がピークで16,765人いました。しかし去年は2,636人と少なくなっています。
しかしこれは、エアバックの装備やヘルメット・シートベルトの装着、それに加えて医療技術の発達などの影響で少なくなったとも考えられます。
現在でも、年間でおよそ30万件の交通事故が起こり、36万人以上の人が怪我をしているそうです。
これらの事故のうち、居眠り運転が原因と特定された事故は全体の数%ほどしかありません。
しかし、居眠り運転の怖さは『被害の重大さ』です。
高速道路調査会の調査研究によると、居眠り運転における一般道での死亡重症率は6%ですが、居眠り運転の場合は20%とおよそ3倍の数値になっています。
また高速道路の場合では、死亡率7%に対して33%とおよそ4倍の数値にまで膨らんでいます。
居眠り運転の場合、ブレーキを踏まずに衝突するので、どうしても重大事故につながりかねないのです。
ちょっとした眠気による運転操作ミスや判断ミスなどを含めると、事故の数はもっと増えると考えられています。
アメリカの研究によると、1年間に起きた5000件以上の交通事故を分析したところ、不眠症を訴えている人は健康な人に比べて交通事故を起こす確率が3.5倍から4.5倍も高くなることが分かっているそうです。
■まとめ
いかがだったでしょうか?
何気なく行っている日ごろの生活の見直しで、睡眠の質をよくすることはできます。
しっかり睡眠をとって、よい循環をつくり心も体も健康に過ごしましょう!
最後まで読んでくださりありがとうございました。