さて、今回は・・・、
「季節に適した寝具の選び方」について解説いたします。
皆さんは寝具を季節ごとに何回変えていますか?
日本の気候の特徴は、お住まいの地域で差はあるものの、四季があり1年を通して気温の変化が大きく、降水量の変化も大きい、温暖湿潤気候にあたるそうです。
気温や湿度の変化の大きい日本で睡眠を快適にとるには、その時期にあった寝具をその都度変える必要があります。
そこで今回は、これからの暖かくなる季節に適した寝具について、ちょっと先取りしてご紹介をします。
■ 寝具の役割
その前に基本的な寝具の役割を知りましょう!
寝具には主に「掛け寝具」「敷き寝具」「まくら」の3つに分類されます。
眠っている時には、体温変化や発汗や寝返りなどが生理的に起こります。
その生理的な変化にやさしく対応し、良い眠りを導くのが寝具の役割です。
そこで寝具に求められる機能としては、適度な温度を保つこと、適度な湿度を保つこと、そして、吸った湿度を逃がすことが大切になります。
■ 寝床内環境
掛け寝具と敷き寝具の間には一定の温度・湿度を保つ環境が大切だと言われています。
皆さんも素肌にシャツを着ると、肌とシャツの間に空間が出来ますよね。寝具も一緒です。
寝具でも掛けふとんと敷ふとんと身体の間に小さな空間が出来ます。その空間の温度と湿度を「寝床内環境」といいます。
夏は涼しく、冬は暖かく眠ることは、皆さんの眠りを快適にする大切な条件の一つです。
温度の上げ下げだけでなく、湿度の調節もとても重要なのです。ぜひこの「寝床内環境」のことは知っておいてくださいね。
西川株式会社の日本睡眠科学研究所実験から理想的な寝床内環境は温度が33±1℃、湿度は50±5%ということが分かっています。
最近では、住宅環境も大きく変化しており、以前にくらべマンションなどは特に気密性に優れています。
外の気温の条件は一緒でも部屋の温度が異なるのでお住いの寝室の室温に合わせて寝具を選ぶ必要があります。
■ 室温に応じた寝具選び
これからの季節やお部屋の温度にぴったりの寝具はどのようなものがあるでしょうか?
ここからは具体的な室温に応じた寝具を紹介します。
〇 室温20℃
室温が20℃前後の場合は、一般的に羽毛の合掛けと呼ばれる冬に使用する羽毛掛けふとんよりも羽毛が約0.3~0.5kg少ない羽毛ふとんか繭を原料とする真綿ふとんと呼ばれる掛けふとん(中身1.0kg)がおすすめです。
〇 室温25℃
室温が25℃前後の場合は一般的に羽毛の肌ふとんと呼ばれる羽毛の量が約0.3kg入った掛けふとんや真綿の肌ふとん(中身0.5kg)や合繊の肌ふとん(中身0.5kg)がおすすめです。
真綿ふとんは優れた保温性に加え、吸湿・放湿性にも優れているので高温多湿な時期には特におすすめです。
〇 室温25℃~
室温が25℃以上になると、綿毛布やタオルケット、ガーゼケットが掛けにはおすすめです。
また、敷きシーツとして冷感パッドシーツのような余分な熱を吸収したり、逃がしてくれるものを組み合わせると、より快適な睡眠が得られると思います。
ただし、ご高齢者や冷え症などの代謝が低めの方はこれらの組み合わせにブランケットを足すことで保温性を高めましょう。
■ 「麻」の寝具で夏を快適に
みなさんは「麻」を使用した寝具を使ったことはありますか?
麻は湿度の高い夏に特におすすめの素材です。
麻には多くの種類があり、原料の植物によってその性質が異なります。
ただし商品の品質表示にはリネン(亜麻)とラミー(芋麻)という品種のみ麻として表示されます。
〇 麻の魅力
麻の魅力は何と言ってもその心地よいシャリ感です。
吸水性と速乾性に優れているのですが、その肌触りは汗ばむ夏場でも爽やかさを与えてくれます。
さらに熱の伝導にも優れているので、肌に清涼感を与えてくれてとても気持ちよく眠ることができます。
また、麻は他の素材と混ぜてもその性質が損なわれにくい性質があり、麻混素材の寝具は夏場非常に高いです。
春夏や秋口だけでなく、羽毛掛けふとんの中掛けとしてもお使いいただけます。
〇 西川の麻
特に西川株式会社の麻の肌掛けは、従来の麻のイメージの「硬い・ゴワゴワする」といったイメージを独自のソフト加工を施すことで柔らかい感触を実現させた商品があります。
それに汗をばむ季節に使う寝具のニーズとして「洗える」というご要望も多いので「通常洗うと縮んでしまう」といった麻の特徴を解消する特別な加工を施し、ご自宅でも安心して洗える商品もあります。
■まとめ
いかがでしたでしょうか?
季節やお部屋の温度、ご自身の基礎代謝で寝具を工夫する必要があります。
是非今回のお話を参考にして今年の春先から夏場にかけての眠りを快適にお過ごしください。
■参考資料
nishikawa発刊 「in Life眠りと寝具の本 vol.9」より
WIKIBOOK「さまざまな面から見た日本 地理・気候」より